オフアキシスガイダ(OAG)にトライ(その6:ケラレの改善)(2021/06/29)
OAGのプリズム保持部によるケラレ問題の改善方法は二つ考えられます。
(1)プリズム保持部をなるべく端に寄せる
(2)撮影側カメラをなるべくOAGに寄せる
最初の(1)は直接的に効きます。
次の(2)は、CMOSセンサと対物レンズ最外周を結んだ線が、対物レンズのFナンバー相当で内側に移動するのである程度大きめにする必要があります。
二つの方法の関係では、(1)は(2)に影響しませんが、(2)を実現するためには、プリズム分岐部からガイド用カメラまでの距離を短くする必要があります。
プリズム保持部からガイド用カメラまでの間には微動のための直進ヘリコイドがあり、これがガイド側の光路長を短くできない原因となっています。
そのため、直進ヘリコイドの両端のねじ部を必要最小限の長さだけ残して、糸鋸、紙やすりで切り取ってしまうことにしました。1.25インチアイピースが挿し込めるようになっていて止めねじがついていますが、止めねじ位置はあとで再加工することにして、カットします。反対側もねじ込み先の構造を考慮して必要なだけカットします。
その結果、当初、全長57mmでしたが、49mmまで短くできました。8mm短縮です。
また、(1)の効果として1mmくらいは移動できたので、合計2mm程度ケラレる量が減りました。これくらいできればほとんどケラレないのではないでしょうか。
念のため光路長の計算です。
ガイド側
プリズム保持具31mm+ヘリコイド49mm+M-Genフランジバック7mm-プリズム保持具短縮7mm-M-gen
フランジバック補正7mm=73mm
撮影側
OAG7mm、T2+EFマウントフランジバック55mm+スペーサ15mm=77mm
となり、ヘリコイドを4mm繰り出せるのでピント調節の幅が広めにとれます。
対物レンズ側から直接覗いてみても、ほとんどプリズム保持具が撮影用センサにかぶっていないようです。ちょっと画像が見難くてすみません。若干、ガイド側に必要な光線が進んでいるか心配です。
レンズ周辺部から覗いた場合(ケラレ改善後)
レンズ周辺部から覗いた場合(前回と比較)。
フラットを撮影してみると、かなりコントラストを強調してもプリズムによるケラレの影響はほとんどわかりません。
今後は、実際の星空で、カメラ側とガイド側のピント調節と、適当なガイド星の見つけやすさを検証してみたいと思います。
(次回に続く)