星は空の彼方、月よりも遠く

晴観雨作、晴れたら星空観望、降れば望遠鏡工作、永遠のビギナーを抜けられず、日々悶々としています。

June 2014

富士山も星空スポットとして都心からアクセスしやすいところです。時季によりますが車で5合目まで行けるので楽でよいです。昔は、あまり規制も厳しくなかったですが、最近は自然保護のため行きにくくなっているのが残念です。

さて、6月23日午前8時29分ころ、河口湖上空9000m(GPS)を飛行している時に見えた富士山です。北側の沢にはまだ雪が残っているようです。地上は曇っていても上空は晴れていることもあります。でも、まだ雲がありますね。下弦過ぎの月がもう少し右上の方にあるはずですが見つけられませんでした。

イメージ 1

 NexGuideは付属電池ケースを用いて単一4本か、ACアダプタ(6~14V250mA)を使用することになっていますが、野外での使用や配線の取り回しを考えて、絶縁型DCDCコンバータを間に入れて見ようと思いました。AZ-EQ6GTには12Vのバッテリーから直接供給していますが、電池で動いていたものをGNDを共有した電源に変えると、これまでの経験から何かしら不具合が出る心配があるので絶縁型DCDCコンバータを挟むことにしました。

さて、入手容易な絶縁型DCDCコンバータを探してみると、出力電圧は5Vか12Vになってしまうようです。5V(600mA)の絶縁型DCDCコンバータでも動くかも知れませんが、NexGuide本体のレギュレータの動作電圧が定格6V以上のようなので、もう少し高い電圧(といっても12V)にしたほうが良さそうではないかと思いました。250mAでも良いのですが、余裕を見て500mAのものにします。下の図は、DCDCコンバータのピン配置です。


イメージ 1


NexGuideの電源の入力電圧は14Vまで可能ですが、本体の中でドロップさせるのは熱ノイズ的に気持ちが悪いので、使い慣れたNJM23977.4Vくらいまで下げてから供給しようと思います。効率は半分くらいになってしまいますが。

イメージ 2


出力電圧は、抵抗2本で調節できますが、出力電圧と抵抗値の関係は、
Vo=1.29*(1+R2/R1)
なので、R1=1kΩR2=4.7kΩにすると良いようです。
しかし、手持ち部品の関係で、R2は20kΩの多回転VRにしました。

DCDCコンバータは、ある程度のアイドリング電流を流しておかないと出力電圧が安定しないようですので、パイロットランプ代わりのLEDを入れて少し電流が流れるようにします。また、ノイズやリップル除去用にコンデンサも入れておきます。




イメージ 3


出来上がり写真はほとんどDCDCコンバータが基板上を占めています。下のDCジャックから9V14Vを入力し、絶縁型DCDCコンバータ(MIWI06-24S12)で12V500mA)にして、パイロットLEDを挟んで、NJM2397に入れます。可変抵抗で電圧調整しますが、低飽和電圧なので、約1.3V11.5Vくらいまで可変出来ます。可変レギュレータは非絶縁ですがDCDCコンバータが絶縁型なので、入力ジャックと出力プラグの間は絶縁されており、電池を用いた場合と電気的には同じはずです。


入力ジャックのところで10Vくらいでも、DCDCコンバータ直後で約12Vが得られることを確認し、可変抵抗を調節して、出力プラグのところで6.5Vになるようにしました。


この回路がうまく働けば他にも使えるかもしれないので、プリント基板はパターンを作ってエッチングしました。左下が入力用DCジャック、その上がDCDCコンバータ(MIWI06-24S12)です。左下が+V入力、右下が-V入力のパターンです。また、右上がDCDC+V出力(かつNJM2397+V入力)、上半分中央から左にかけて、DCDC-V出力(かつNJM2397GND)で、左上角の小さなパターンが、NJM2397+V出力です。NJM2397は上部中央付近にあります。青い四角の可変抵抗は時計回りに回すと出力電圧が上がります。



イメージ 4


エッチングは、昔はレジストペンで直接パターンを描いてエッチングしましたが、今回は概略以下の様な方法で行いました。レーザプリンタで「画彩」という用紙に印刷して、生プリント基板に載せてアイロンで熱転写し、水に浸して紙の部分を丁寧にこすり落とし、トナーだけが基板上に残るようにして、必要に応じてレジストペンやカッターナイフ等でトナーを修正して、塩化第2鉄のエッチング液にしばらく浸しておけば不要な部分が溶けてしまします。その後水洗し、トナーを「ジフ」でこすり落として、ミニドリルで部品用の穴を開け、フラックスを塗っておきます。部品を差し込んで半田付けして完成です。この方法はネットで紹介されていますのでいくつかのサイトを参考にさせていただきました。

なお、ハンダやエッチング液は環境にやさしくないものもあるので、ちゃんと規則にそって処理して廃棄しないといけませんね。気をつけましょう。



101EDを使用して、星雲星団撮影に挑戦しようと準備していました。赤道儀はAZ-EQ6GTですが、ベランダに設置しているので、極軸調整があまり出来ていません。直焦点640mmのノータッチは難しいので、オートガイド用に、77EDNexGuideSONYICX404ALチップの方)を準備しました。AZ-EQ6GTには標準でST-4ポートがあるので、付属のケーブルで簡単に接続できます。

AZ-EQ6GT2点アライメントして、極軸のズレを表示させると高度、方位とも2度くらいずれているので、PolarAlign機能を用いて、高度方位を修正し、もう一度2点アライメントします。今度は、0.2度くらいのズレと表示されます。まあ、これで良しとします。空が明るいので、フィルタ無しでは2分程度でサチってきます。

さて、101EDをアンタレス付近に向けてM4を狙います。77EDKYOEIさんの低重心ガイドマウントに載せて、アンタレスをガイド星として導入します。すでにピント位置などは調整してあるので、フリップミラーの片方のアイピースで中央に導入して、ミラーを切り替えれば、NexGuideの液晶に対象星が表示されるはずです。これまで何回か行っている動作なのでここまでは問題ないはずなのですが、今回は何も出ません。露出時間を変えても、何も出ません。ノイズレベルを調整すると、あるところで星像表示エリアが真っ白、または真っ黒になるだけで星らしきものは現れません。ピントを合わせ直したり、アイピースで位置を再調整してもダメです。

アイピースを覗いていると、十字線から星がどんどん離れていきます。それも、日周運動とは逆斜めの方向です。単に、ガイドしていないだけではなくて、何らかの制御信号が、ST-4ポートからずっと出ているようです。ちなみに、SynScanの方向キーを押しても全く反応しなくなりました。

仕方ないので、撤収することにしました。意気消沈して、NexGuideのみを室内で電源をつないでみました。初期画面からメニュー操作など、一応出来ますが、CCDのキャップをずらせて少し光がもれるようにしても、ノイズレベルを含めて反応しません。

中身を開けて内部回路を当たるということもありますが、保証が効かなくなるので、まずは販売店にメールで状況を書いてみると、故障と思われるので着払いで送るようにとのこと、早速送ると、ほぼ直ちに、故障を確認したので新品と交換するとの連絡がありました。往復4日ほどであっけなく解決してしまいました。多分、類似した故障の前例があるのではないかと推測しました。

ネットで調べて見ると、NexGuideST-4ポートは、オープンドレインになっていて、そのICの入力耐圧が6.5V程度しかないとのことでした。

このICの交換記事があったので、他にも苦労した人がいるのだと思います。オープンドレインは、そもそも外部電圧が回路電圧より高くても制御できるのが利点なのでこのICの意図はよくわかりません。一方、そう言っても、普通に考えれば、信号ラインは5V程度と考えるところですが、AZ-EQ6GTST-4ポートの電圧を確認してみようと思います。しかし、NexGuideSynGuiderOEMと言われており、同じSkyWatcherの製品なので、つないで壊れることは考えられないのですが。フォトカプラでも使って欲しいところです。

 

1980年ころ購入しましたものです。口径120mm、焦点距離1200mm、鏡筒径はφ140mmです。なお、口径は125mm?という話もあるようですが、私のものは120mmでした。

http://homepage3.nifty.com/imdiygo/120sc0.htm

ファインダーは6×307°のものがついています。国産Schmidt-Cassegrainは少ないですね。しばらく使わないうちにカビが生えてしまいましたが、丁寧に拭きとったところ、なんとか復活しました。

M8ピッチ35mmの架台に取付けるための台座が鏡筒に固定されていましたが、カメラをつけたりすると前後バランスが取れません。幸いなことにビクセンの鏡筒バンドの直径がぴったりだったので交換しています。ただし、ビクセンの架台を使っているうちは良かったのですが、純正アリガタはAZ-EQ6GTのアリミゾに適合しないので、自作互換プレート(自作)にしています。

 

1200mmという焦点距離は、次の写真のようにAPS-Cサイズで満月を撮影するのにとてもよいサイズです。(トリミング無しの画像)

 

イメージ 1

撮影データ

望遠鏡:NSC12BD120f1200)直焦点、

架台:ビクセンGP-ESS2000PCで恒星時駆動、

カメラ:EOS60DaISO500、露出1/500sec

 


それから、NSC12Bのフォーカスノブは自作電動化しました。といっても、手持ちのプラスチック歯車のボス穴を拡大しノブに圧入して、これも手持ちのピニオン歯車を圧入した小型ステッピングモータで回しているだけです。モータ駆動はArduinoというマイコンの互換キット(秋月電子通商)を使いました。

 モータは日本電産コパルのSPG20-1362というもので、減速比18:1のギヤが内蔵されています。モータ単体は18度ステップなので出力軸は1回転360ステップになります。これの軸に歯数18枚(モジュール0.5)のDS成形歯車を圧入します。

一方、フォーカスノブには、歯数56枚のDS成形歯車のボス径を約20mmに拡大して圧入しました。センターがぶれないように注意して加工ましたが、一つダメにしてしまいました。なお、使用した時、歯車のかみあいが変化するので、加工時に偏心してしまったのかと思いましたが、実際は、ノブをフォーカス軸に付ける段階で偏心しているようです。

ノブの1回転で1mmドロチューブが移動するので、計算上は1ステップあたり0.89ミクロンの移動となります。

モータの取り付けはアルミLアングルを適当な大きさにカットしモータ側と鏡筒側の2つの部品を製作し、片方を強力接着剤で鏡筒に接着し、そこにモータをつけた金具をM4のネジで位置調整して固定ました。

イメージ 2            イメージ 3

写真はステッピングモータを取り付ける前と後のものです。
 
イメージ 4


駆動回路は、写真のようなもので、左側の下2枚の基板は、秋月電子通商のArduino互換マイコン基板と、スイッチサイエンスのLCDシールドです。左上が自作したものですが、コントローラとマイコンとモータのインタフェース基板(ドライバIC付き)です。右も自作したコントローラパッドで、SS2000PCの微動とシャッターレリーズも一体化しました。インタフェース基板はLCD基板の上に取り付けますが、窓から見えるLCDに移動ステップ数などを表示できるようにしてあります。

イメージ 5


接眼部は、24.5mmスリーブ接続リングの他、36.4mmメスネジ+Tマウント(42mm(P0.75))の接続リングがあります。しかし、Tマウントを介してカメラを付けた場合、回転させるためには、接続リングを緩めなくてはならず、使い勝手がよくありませんでした。

 

そこで、BORG2インチスリーブ(M57ネジ付き)を、NSC12Bの接続リング固定ネジの外側にかぶせて3箇所でネジ固定できるようにしました。別途入手した2インチスリーブ用Tマウントアダプタは接続部が斜めにくびれており、内径部が31.7mmスリーブになっているので、ビクセン等のカメラアダプタ等のように、半固定状態で回転ができるはずです。必要ならBORGの各種リングがM57ネジを用いて使用できるので自由度が向上しました。

 

 

 



このページのトップヘ